こんにちは!!今日は呼吸困難について勉強していくよ!呼吸器の疾患の方が何で息切れや呼吸苦を訴えるのでしょうか。酸素が足りないから?それだけじゃないよ!!呼吸困難を知れば、呼吸器疾患の方の関り方が変わるかも!では早速行きましょう。
このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。
呼吸困難とは
「様々な強度のいくつかの質的に異なる感覚によって構成される、呼吸の不快感の主観的な経験を指し示す用語である。この経験は多くの生理学的、心理社会的、あるいは環境的要因の相互作用によって生じ、また二次的に生理学的、行動的反応を引き起こす」と定義されまています。 ってどういうこと?なんだかよくわからない!!って私も思いました。
簡単に言うと呼吸困難を形作る感覚の入力はたくさんあるよってことです。過去の経験や記憶とかも含まれるってことです。 ここで中心的な役割をはたすのが換気に関する入力です。
換気っていうのは、肺胞のガスと大気を交換することです。酸素をうまく取り込めないことや二酸化炭素をうまくはけない状態が続くと呼吸困難になってしまいます。
換気
換気量の不足や換気パターンの乱れ、過大な換気努力が呼吸困難を引き起こします。
血液中の二酸化炭素の分圧(血中に溶けた二酸化炭素の量)は脳脊髄液のpHの上下で呼吸中枢(延髄にあるよ)に働きかけ換気の調節を行っています。二酸化炭素分圧の変化は直接的に呼吸困難も引き起こします。
動脈血の酸素分圧は、化学受容体(頸動脈小体、大動脈小体)を介して感知されいるが、呼吸困難に直接的な影響は比較的小さいです。しかし、低酸素血症は換気ドライブの亢進、換気量の増大をもたらし、呼吸困難を引き起こします。
看護roo! 参照
換気ドライブ?換気しながら車でドライブする事かな?って思った私。勉強不足です(;・∀・)。早速Google先生に聞きました。
換気ドライブ
運動を行っていくと酸素摂取量の増加に伴い二酸化炭素の排出量も増加します。しかし、その増加は途中で変曲点(嫌気性代謝閾値:ATポイント)で急激に増加します。呼吸困難もATポイントから感じはじめ急激に増加します。呼吸困難の指標としてBorg CR-10(修正Borgスケール:呼吸困難の指標)も増大します。分時換気量や仕事量の増加、乳酸値の増加もATポイントで増加します。この換気量の増加を換気ドライブって言います。なので、運動不足によって骨格筋の機能が低下すると乳酸閾値は低下し、軽い運動でも容易に骨格筋の乳酸の産生が増大・蓄積し、それが血中へ放出されアシドーシス(酸性)になります。そのため換気の亢進⇒息切れが増強されます。
フクダ電子 参照
COPDにおける骨格筋機能異常
COPD をはじめとする慢性呼吸器疾患患者の骨格筋は機能異常をきたしていることが知られています。特に COPD においては、さまざまな全身的な要素が骨格筋の機能障害に関与しています。この機能障害によって骨格筋には筋力・筋持久力の低下、易疲労性などを生じ好気的代謝能力(好気的=有酸素運動、嫌気的=無酸素運動)の低下がおきます。好気的代謝能力の低下した骨格筋では、低強度の負荷でも容易に乳酸産生が亢進し、これによって生じる乳酸アシドーシスが換気の異常な亢進を引き起こします。前文でも言いましたね。こうした換気の亢進は呼吸困難を増悪させ、患者の日常動作を制限する(不活動)ことでさらなる骨格筋の廃用となり、悪循環を形成して患者の呼吸困難感を増悪させています。
これに対し運動療法は、有酸素運動などのトレーニングによって骨格筋の代謝機能を改善させ、患者の呼吸困難感を改善させることを目指しています。運動療法の効果は主として同じ運動量における乳酸産生量の低下とそれに伴う換気量の低下によって説明されます。その運動耐容能に対する効果の大きさは一般に薬物療法や酸素療法より大きいとされています。運動療法は比較的安価で安全に実施でき、また多くの患者で安定した効果を生み出すことから、慢性期の呼吸リハビリテーションの主体的なものとなっています。
気流制限
COPDでは、抹消気道の狭窄によって吐く(呼気)ときの気流速度が制限されています。労作時には、さらに気流制限が増強します。
独立行政法人 環境再生保全機構 「COPDってどんな病気ですか?」 参照
検査は、スパイロメトリーという呼吸機能検査です。息を思い切り深く吸ってから、呼気を一気に吐き出したときの1秒間に吐き出す量(1秒量FEV1.0:Foced expiratory volume in 1 second )と肺活量に対する1秒量の割合(1秒率FEV1.0%)、年齢、体格、性別に基づいて算出される1秒量の予測値に対する実測値の比率(対標準1秒量:%FEV1.0)、また呼気流速で描かれるフローボリューム曲線の形が指標になります。
疾患図譜 参照
1秒率(FEV1.0%)が70%未満であるばあいCOPDが疑われ、さらに気管支拡張薬を吸入してもやはり70%以上に改善しない場合COPDが強く疑われます。胸部レントゲンあるいはCT検査などにより、ほかの疾患が否定された場合、確定診断となります。対標準1秒量(%1FEV1.0)は、COPDの気流制限の重症度判定に用いられます。
%FEV1.0が50%以下の場合
階段や坂道の上り、荷物を持っての歩行で換気の能力が必要量を満たせない。
%FEV1.0が30%以下の場合
日常的な歩行のための換気量の確保が困難。
1秒量の予測値の計算方法(こんな式があるんだってことだけでいいです)
Berglundの式(HT:身長、age:年齢)
男性:FEV1.0=3.44×HT(m)-0.033×age-1.00
女性:FEV1.0=2.67×HT(m)-0.027×age-0.54
日本呼吸器学会(JRS)肺生理専門委員会の式(18歳以上)
男性:FEV1.0=0.036×HT(㎝)-0.028×age-1.178
女性:FEV1.0=0.022×HT(㎝)-0.022×age-0.005
動的肺過膨張(dynamic hyperinflation)
呼気時の気流制限のため運動によって呼吸が促進すると呼出不十分となります。こうした「吐き残し!!」の蓄積によって運動時の呼気終末肺気量(end lung volume:EELV)が連続的に増大する現象を動的肺過膨張っていいます。最大吸気量(inspiratory capacity:IC)は次第に減少し、運動時に1回換気量(tidal volume:VT)を増加することができなくなり、浅く速い呼吸パターンとなります。このことで、呼吸仕事量の増加や運動時の呼吸困難、運動耐容能(身体運動負荷に耐えるために必要な,呼吸や心血管系の能力に関する機能)の低下に影響を与えます。
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 2020年 第28巻 第 3 号 371- 376 参照
ではみんなで体験してみましょう。「息を吸ってください。ハイ少しだけ吐いて」「また、息を吸う。少しだけ吐く・・・・・・・」これを繰り返してください。苦しくなりましたか?私は、10回くらい行ったら息苦しさを感じました。少しクラクラしますのでやりすぎに注意してください。肺がパンパンになった感じですね。これを繰り返すと換気量が減ってしまい息苦しくなるんですね。COPDで息が苦しい時ほど吸うのではなく吐くことを意識させる事が重要ですね。
ベーリンガープラス 参照
心理的要因
呼吸困難には、抑うつ、不安などの心理的な因子が直接的に関係し、換気が亢進することでより不安を与えます。COPDの患者様は健常人と比べ抑うつ、不安の程度が高く、また労作に対する恐怖感も多くの患者様が抱えているため、運動耐容能の低下している。
呼吸困難の評価方法
間接的評価法
Flecher,Hugh-Jonesの分類
呼吸器疾患患者の運動機能と呼吸困難からみた重症度(I~V段階)評価基準です。慢性閉塞性肺疾患患者の呼吸困難についてFletcher CMが提唱したため,Fletcher-Hugh-Jones分類と呼ばれています。しかし、健常者並み等あいまいな点が多いためしっかり分けることができないので、研究等では使うことが少ないですね。
看護roo!参照
mMRC(Modified Medical Research Council:修正MRC)息切れスケール
臨床重症度を0から4までの5段階で評価します。リハビリテーションの効果判定にもちいられるが、再現性やしっかり分けることができないことが難点です。でも、国際的には標準的に用いられています。
Baseline Dyspnea Index(BDI)およびTransition Dyspnea Index(TDI)
呼吸困難による機能障害、呼吸困難が生じる仕事量、労力の程度を測る評価方法です。
Baseline Dyspnea Index(BDI)ベースライン呼吸困難指数は、呼吸困難による機能障害、呼吸困難が生じる仕事量、労力の程度の 3項目についてそれぞれ 0~4 段階で評価し、3 項目の合計すなわち 0~12の13段階のスケールの指標で、数値が小さいほど息切れが強いことを示しています。このスケールは、日常の活動状態の中での息切れの程度を評価しています。
Transition Dyspnea Index(TDI)は、2 時点で BDI を評価し、息切れの変化を評価する指標でありBDI の 3項目に対し、ベースラインからの差を- 3 ~ + 3 の 7 段階で評価し、その合計点を用います。- 9 ~ + 9 の19段階での評価となり、数値が小さいほど息切れが強くなったことを示しています。
色々調べてみましたが、どんな評価方法かいまいちわかりませんでした。わかる人は私に教えてください。評価表とかあったらうれしいです。
Oxygen Cost Diagram(OCD:酸素消費ダイアグラム)
100㎜の線分上に日常の様々な活動内容が組み合わされています。異なる活動を行う際の酸素の必要量を示す概算的指標とされ、呼吸機能、ADLなどの機能的側面を反映すると言われています。
直接的評価法
Borg CR-10(Category-Ratio 10)スケール(修正Borg スケール)
0~10の比例的分類尺度で呼吸困難の程度を定量的に評価します。運動強度を容易に把握でき、表現できる数値です。血中乳酸蓄積閾値は4(多少強い)~5(強い)のところで表されます。
呼吸器内科医 参照
visual analogue scale (VAS)
100mmの水平直線に呼吸困難の程度を直接マーキングし定量的に評価します。
呼吸器内科医 参照
Numerical Rating Scale(NRS)
0と10を最端とし、間にアンカーポイントとしての数字が書いてある。また、電話や口頭での調査も可能であり、VASに比べると有利である。
呼吸器内科医 参照
呼吸困難指数(dyspnea index, Ⅴ´Emax/MVV)
最大運動負荷時の分時換気量(Ⅴ´Emax:分時最大換気量)と安静時の呼吸機能検査によるMVV(最大努力換気量)の比であり、運動時の換気予備能を指数化したものです。健常人は、一般的に0.8程度、呼吸器障害では1を超える。
今日もいろいろ勉強しましたね。COPDの方であれば、口すぼめ呼吸をすることで楽になります。
今度も見てください。
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