今日は、聴診について話していくよ。フィジカルアセスメントの中の花形!!聴診について話していきます。私も初めて聴診器(stethoscopeよくステートって言うね)を自分で買って、病院に持っていきなんだかうれしくて常に首に吊るしていました。副雑音もよく解らなかったなのに!!でも、勉強すると訪問リハビリの時やもちろん病院内でもよ~~く使い活躍します。学生上がりは、血圧を測る時ぐらいしか使わなかったのに・・・今回もしっかり勉強していきたいと思います。一応肺野の聴診について詳しく述べていきます。では早速行きましょう。
このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。
フィジカルアセスメントとは
フィジカルアセスメント(Physical 身体の assessment評価)とは、問診とフィジカルイグザミネーション(examination調査:視診、触診、聴診、打診)を用いて、身体的健康上の問題を明らかにするために、全身の状態を系統的に査定することです。
フィジカルアセスメントの基本手順
フィジカルアセスメントは、患者の心身の侵襲を少なくするために、以下5つの手順でおこないます。
① 問診:患者の訴えを聞きます
② 視診:患者の全体を観察し、身体の機能も異常がないか確認します
③ 触診:患者に触れて皮膚などの状態や痛みの部分を正確に知ります
④ 打診:患者の身体の表面を叩いたり振動から内部の状態を知ります
⑤ 聴診:聴診器を使って呼吸音や心音、血管音、腸音などに異常がないかを聴きます
聴診器 パーツ
聴診器の知っておきたいパーツの名前、イヤーピース、耳金具、チューブ、チェストピースです。
イヤーピースはㇵの字になっているので耳の形と同じ向きに耳に入れましょう。反対に入れて聞こえませんってならないように。
聴診器を患者さんの体に直接当てる部分は、チェストピースと呼びベル型と膜型があります。
「ベル型」は、低い音を聞くときに使います。「膜型」は、高い音を聞くときに使います。もちろんどちらでも音は聞こえるますが、とても低い音は「ベル型」で聴かないとわかりません。すごく高い音は「膜型」で聴かないとわかりません。だから、診察するときに、何を聞くか、どこを聞くかによって「ベル型」で聴いたり「膜型」で聴いたりします。
聴診器では胸と背中を聴くことが多いですよね。もちろん、お腹も聴くし首(嚥下時)も、腕(血圧)も聴きますが、やっぱり胸と背中が多いです。胸の中には何があるのかというと、肺と心臓です。肺の音(膜型)と心臓の音(ベル型)を聞き分けます。余談ですが、配管関係の音や精密機械の調整などなど、医療以外でも使われています。話を戻しますベル型と膜型の音を変えるときは、付け根のシャフトを回す(180°)ことで切り替えることができます。反対に回したまま音を聞いても聞こえません。聞く前にチェックをしましょう。
ちなみに私はLittmannリットマンの聴診器を使用しています。18年目で2代目を今使っています。やっぱりダブルタイプを使用しています。
聴診方法
静かな部屋で患者様も検査者もリラックスして行ってください。心音の場合は呼吸を止めて行うと聞きやすいです。
①先ほども言いましたが、チェストピースはベル型、どちらを使うか決めておいてください。
②イヤーピースはㇵの字の向きで耳に入れます。
③寒い時期は、チェストピースを手で温めておくといいでしょう。
④聴診部位にチェストピースを当てます。膜型は、しっかり当てましょう。肺音は、肋間にチェストピースを当ててください。痩せている患者様(羸痩るいそう)は、うまく当てることができないことがあります。その際は、衣服(下着)の上から当てて行うか、小児用の聴診器で聞いてください。
⑤使用後は感染症の予防目的にアルコール綿で使用した場所を拭き清潔にしましょう。
肺野 聴診の順番
①初めに気管音から聞きます。なぜかというと!!胸に手を当てて「アーーアーー」と声を出してください。すると肺全体に響きますよね。まず、気管部に痰等の副雑音が聞こえると肺全体に聞こえてしまうので、まずは気管部に副雑音がないか確認します。
②続いて気管支音です。気管分岐部に聴診器を当てましょう。皆さん覚えていますか。私のブログの「肺の触診(どこに肺はある?)!!」ここで第2肋骨や胸骨角を同定(同一であることを突き止めること)できれば気管支音を聞くことができます。
③いよいよ肺野です。左右順番で聞いてください。左右差を聞き分けるためです。片方聞いたら片方としないようにしましょう。
種類 | 聴取部位 | 音調 | 呼吸位相 | 音の高さと長さ | 休止期 |
気管音 | 頚部気管直上 | 鋭い | 吸気よりやや呼気が強く聞こえる。 長さはほぼ同じ | 吸気相<呼気相 | あり |
気管支音 | 傍胸骨部 肩甲骨間 | 鋭い | 吸気・呼気が同じくらい聞こえる。 長さはほぼ同じ | 吸気相≦呼気相 | あり |
気管支 肺胞音 | 全肺野 | やわらかい | 吸気よりやや呼気が弱く聞こえる。 長さはほぼ同じ | 吸気相=呼気相 | なし |
肺胞音 | 後肺底区 | やわらかい | 吸気呼気が弱く聞こえる。 呼気が短い | 吸気相>呼気相 | なし |
副雑音です。
副雑音にはラ音と胸膜摩擦音があり、ラ音は捻髪音fine crackle、水泡音coarse crackle、笛音wheeze、いびき音rhonchusの4つに分けられます。では覚えておきましょうか。
捻髪音(Fine crackles) | 水泡音(Coarse crackles) | |
音が聴こえるタイミング | 吸気(後半にかけて強くなる) | 吸気初期または初期~中期、吸気全般で同様、呼気相で聴取することもある |
音の聴こえ方 | チリチリ、パリパリ(髪の毛をつまみそれを転がしてみましょう。チリチリしますよ) | ゴロゴロ、プツプツ |
音の高さ(周波数) | 高音 (500-1,000Hz) | 低音 (250-500Hz) |
長さ | 5msec | 15msec |
咳嗽の影響 | 消失しない | 分泌物が原因であれば減弱、消失することがある(いびき音と同様に) |
主な原因疾患 | 過敏性肺炎、特発性肺線維症、じん肺、膠原病肺、放射性肺炎 | 肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、慢性気管支炎 |
笛音(Wheezes) | いびき音(Rhonchi) | |
呼吸相 | 主に呼気終末期 | 主に呼気、吸気でも聴取 |
音の聴こえ方 | ヒューヒュー、キューキュー、ピーピー | グーグー |
音の高さ(周波数) | 高音 (400Hz以上) | 低音 (200-250Hz以下) |
狭窄部位 | 細くて硬い気道 | 太くて柔らかい気道 |
病態 | 気道狭窄 | 気道狭窄、気道内分泌物 |
主な原因疾患 | 気管支喘息、COPD、うっ血性心不全、分泌物の貯留、(腫瘍による狭窄) | 気管支喘息、COPD、慢性気管支炎、DPB、気管支拡張症、分泌物の貯留、腫瘍による狭窄 |
聴診の練習
側臥位で後肺底区を聴診する際に、左右でどちらの肺が大きく聞こえるでしょう?1分だけ考えてみてください。肺終了です。
実際は、下位の肺野が大きく聞こえます。これが上の肺野が大きく聞こえる場合は、横隔膜筋の筋疲労を起こしている可能性があります。健常者では、側臥位になった際に内臓がベッド側に移動するため横隔膜を押し伸長させます。それを押し返すように横隔膜が広がるため、下位の肺野の音が大きくなります。しかし、呼吸筋疲労(横隔膜)をしていると内臓を押すだけの力がないため、上部の肺野のほうに横隔膜が大きく収縮するため、上部の肺野に大きく呼吸音が聞こえます。健常者同士で行っても同じくらいに聞こえる場合もありますが、練習だと思ってみて聴診してみてください。
はい、では今日はここまで、心音や腹部はって思いましたか?
また違うときに勉強を私がしますので話していきたいと思います。
今日も文献、参考書、他のブログの方々ありがとうございます。
また見に来てください。
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