6Minutes Walking Distance Test(6MWDT)6分間歩行!!!

physical assessment

今日も、前回に続いて呼吸器疾患に使える….いや!!どんな患者様にも使える6分間歩行について話していくよ。このやり方を知れば、患者様の評価だけではなく運動処方や自宅での指導もできるよ。みんなどんどん使っていこう!!診療報酬もとれるよ(^^♪

このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。

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6分間歩行?6Minutes Walking Distance Test

6分間歩行は、運動耐容能を評価するフィールド歩行テスト(field walking test)のひとつです。他には漸増シャトル歩行試験(incremental shuttle walking test; ISWT)がありますよね。他にもトレッドミルや自転車エルゴメータがあります。「呼吸リハビリテーションマニュアル―運動療法―第 2 版」では必須の評価項目になっています。

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6 分間歩行試験の方法

2002年のガイドラインでは,歩行路は 30m の平坦な直線コースを折り返して使用すること、対象者には「 6分間にできるだけ長い距離を歩く」ように説明し、テスト中は 6 分間に何度休憩してもよいことを伝えます。検査者は付き添って歩かないこと、声掛けは 1 分ごとに決まった内容を伝えることなどが提案されています。

声掛けは以下の通りです。
 1分後 「上手く歩けていますよ。 残りは5分間です。」
 2分後 「今の良い調子を維持してください。 残り4分です。」
 3分後 「よく歩けています。残り半分です。」
 4分後 「今の良い調子を維持してください。 残りは、あと2分です。」
 5分後 「よく歩けていますよ。残りはあと1分です。」
 15秒前 「もう少しで止まってくださいと言います。そうしたらすぐに立ち止まって私が来るのを待ってください。」
 6分経過時 「止まってください。」
で終了になります。
 6MWT では、酸素療法や歩行補助具(杖や装具など)は普段通り使用してもいいことになっています。またテストの前後には心拍数(heart rate;HR)、呼吸困難(修正Borgスケール)、疲労感および経皮的動脈血酸素飽和度saturation of percutaneous oxygen; SpO₂)を測定することなどが求められています。6MWT の一次評価項目は歩行距離です。さらに、6MWTの予測値に対する考えも使えます。最近では6MWT に体重をかけた 6分間歩行の仕事量(6-minute walk work,6MWT×体重)も評価項目もあります。

道具

①30m直進スペース、②曲がるところにコーン2個、③SpO₂測定器、④血圧計、⑤呼吸困難感・下肢疲労感チェック【Borg CR-10(Category-Ratio 10)スケール=修正Borg スケール、VAS:visual analogue scale・NRS:Numerical Rating Scale】、⑥椅子、⑦ストップウォッチ(リカバリーまでの時間も測定しましょう)

参照: YouTubeの「呼吸リハのすすめ

6 分間歩行試験の必要性と説明方法

COPD患者において6MWT300m 未満では予後が悪いといわれています。臨床的には、同じ被験者において歩行距離の変化を検討することが一般的です。6MWT では多くの患者で酸素飽和度の低下が起きるが、重度な低酸素症状が起こる前にテストは終了するため、有害事象の発生はほとんどないと言われています。

平成27年度文部科学省新体力テストにおける6分間歩行の歩行距離参考にして目標にしてもいいですね。

年齢男性女性
65-69歳620.19±91.73 m(n=829)590.32±72.00 m(n=833)
70-74歳605.11±86.74 m(n=846)565.59±75.21 m(n=818)
75-79歳579.19±86.06 m(n=840)530.97±81.83 m(n=807)
参考文献:6分間歩行試験について 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319

対象者(同一被験者)の歩行距離の変化を比較することで良くなっているかを判断しましょう。

一定期間の運動介入を行った前後で評価することで変化を確認することができます。

COPD患者において、臨床における最小重要差(minimal important difference ;MID)は25〜33m(中央値30m)である。

Singh SJ, et al: An official systematic review of the European Respiratory Society/American Thoracic Society: measurement properties of field walking tests in chronic respiratory disease. Eur Respir J. 2014.

COPD患者に一定期間の運動介入を行った結果、6MWTで約30m以上の改善が確認されれば、意味がある介入であったと考えます。

慢性閉塞性肺疾患、肺がん、冠動脈疾患、びまん性実質性肺疾患、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の患者および転倒恐怖症のある成人といった複数の患者群おいて、臨床における意味ある最小変化(minimal clinically important difference ;MCID)は、14.0~30.5mである。

Bohannon RW, et al: Minimal clinically important difference for change in 6-minute walk test distance of adults with pathology: a systematic review. J Eval Clin Pract. 2017.

様々な疾患を有する患者に対して、一定期間の運動介入を行った結果、6MWTで約30m以上の改善が確認されれば、意味がある介入であったと考えます。

状態が安定した間欠性跛行患者において、測定誤差以上の変化である最小可検変化量(minimal detectable change;MDC)は、46mである。

Sandberg A, et al: Test-retest reliability, agreement, and minimal detectable change in the 6-minute walk test in patients with intermittent claudication.J Vasc Surg. 2020.

状態の安定した間欠性跛行を認める患者に、一定期間の運動介入を行った結果、6MWTで約47m以上の改善が確認されれば、測定誤差ではない介入の影響が得られたと考えます。

運動処方

6MWD(6 分間歩行距離 six-minute walk distance )を運動処方に用いる方法として,まず6 分間の最大歩行距離であると考えます。これをもとに30分間の最大歩行距離は、単純に(6MWD×5)となります。例えば、1 日30分間歩くという運動課題が出された場合、60%高強度負荷での歩行距離は(6MWT×5)×60%で、40%低強度負荷での(6MWT×5)×40%と計算することができます

例えば、6MWDが500mであったら、60%の強度で30分歩いてくださいってなったとき、
500m×5×0.6=1,500mとなり、
30分で1.5㎞歩きましょう。と具体的になります。 

ただ、よくなったねとかではなく、運動の処方としても使えるので患者様に明確に運動強度を伝えることができますね昔のわたしっだったら・・・今日は天気もいいから屋外歩行行きましょうなんて言ってました。何の根拠もなく何メートル歩くのかも患者様の気分次第。恥ずかしいです。(・_・;)

整形の患者様でも同じです。しっかり評価してからリハビリを行っていきましょう。

診療報酬

D211-3 時間内歩行試験 200点もらえます。

1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等 に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。
2 区分番号D200に掲げるスパイログラフィー等検査及び区分番号D220か らD223-2までに掲げる諸監視であって、時間内歩行試験と同一日に行われ たものの費用は、所定点数に含まれるものとする。

年に4回を限度として算定できます。なお、当該 検査の実施に係る時間(準備や説明に要した時間を含む。)については、第7部に掲げるリハビリテーションを実施した時間に含めることはできない

医師の指導管理の下看護職員臨床検査技師又は理学療法士が6分間の歩行を行わ せる場合は、医師が同一建物内において当該看護職員、臨床検査技師又は理学療法士と 常時連絡が取れる状態かつ緊急事態に即時的に対応できる体制であること。とされています。

以下の事項を診療録に記載すること
ア 当該検査結果の評価

イ 到達した距離、施行前後の動脈血酸素飽和度、呼吸・循環機能検査等の結果

動画

わかりやすい動画あったので、掲載しときますね。YouTubeの「呼吸リハのすすめはとても参考になります。ブログもあります。少し細かいかもしれませんが・・・・・とても勉強になります。りかさんありがとうございます。

東京オリンピックが始まり、仕事から帰ってきたらTVに噛り付いてます。
ブログの更新を週に1回と決めていますので、間に合うように頑張ります。

今日も文献、Google先生ありがとうございます。また読んでください。

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