肺の働き!!(換気血流比)

呼吸 respiratory

 今日は、肺の働きについて勉強していきたいと思います。酸素を吸って二酸化炭素を吐くだけでしょって言っているあなた!!肺のすごさを知ったら肺を好きになるかも!!今日も楽しく勉強しましょう。

まず自己紹介です。理学療法士(Pysical Therapist:以下PT)のシンディです。

このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。

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肺の働き

  • 換気  :肺胞のガスと大気を交換する
  • ガス交換:肺胞から酸素を取り込み、血液から二酸化炭素を排出する。

どちらかもしくは両方が障害が起きると低酸素血症となります。

以前も話しましたが、肺胞をすべて広げると50~100m²です。一回の呼吸で500mlの水をテニスコート一面に広げられますか?これを1分間に16~20回も行っています。ちなみにガス交換を行っていない部位(鼻腔から終末細気管)の空気のことを死腔っていうんですが、だいたい150ml(解剖学的死腔)あります。気管挿管している患者様の場合、接続チューブも換気量に含まれ、機械的死腔と呼んで区別しています。

 1回の換気量(吸う量)

1回に吸う空気の量を知っていますか?それは、500ml(ペットボトル1本分)で吐く量もほぼ同じです。ちなみに深呼吸をすると約1,000mlの空気を吸うことになります。

空気の比率ですが、吸う際の空気は窒素78%酸素21%その他1%、吐いた際の空気は窒素74%酸素16%二酸化炭素4%その他6%。

図 DIKIN ←うちのエアコンや空気清浄機はダイキンさんです。いつもお世話になっております。

酸素は、500ml×(0.21-0.16)=25ml, 二酸化炭素は、500ml×0.04=20ml

1回の呼吸で25mlの酸素を取り込み、20mlの二酸化炭素を排出していることになります。

図 Amazon

血はなぜ赤い?

 怪我したとき、血は赤いですよね。でも静脈血は青紫ですよね。なんか変ですよね。ヒトの肺胞では、0.25秒で毛細血管内静脈血の酸素化(ヘモグロビンと酸素が結合すること)し血液が真っ赤になります。静脈血は大気に触れた瞬間に酸素化し赤くなります。肺胞内のガス交換も0.25秒で完了して左心系に送られています。効率の良い拡散が起きているんですね。でも、二酸化炭素は、酸素の拡散能力の20倍あるので拡散障害で高二酸化炭素血症をきたすことはそれほど多くない

換気血流比

 体重50㎏の成人が分時換気量Ventilation volume per minute:V̇)5L/分で心拍出量Cardiac outputCO、記号での表記:Q̇血液の量だよ)6Ⅼ/分で換気血流比(V̇/Q̇)0.8となります。しかし、肺の部位でいろいろ換気血流比が違います。気道が閉塞されて換気に参加しない肺胞や、換気は良好な肺胞でも血管が閉塞されて血流がない場合(VA/Q=0)など、肺は多様な換気/血流比(VA/Q)の組み合わせで構成される。

立位では、肺底部から肺尖部へ向かうほど胸腔内圧は低下し肺尖の肺胞は伸展傾向にあるのに対して、肺底では胸腔内圧が相対的に高く肺自体の重みを受けているため、肺胞は縮小傾向である。しかし、吸気時には肺尖部より肺底部のほうが吸気の分布が多くなります。肺尖部ではV̇/Q̇比3、肺底部ではV̇/Q̇0.8を下回る。簡単に言うと肺の上は空気が入りやすくなっていて、肺の下は入りづらくなっている。血流が多い肺底部に、空気を吸うときは横隔膜が下に下がり吸気は肺の下のほうが多くなります

臥床状態無気肺や肺気腫などの病変は、肺血流の多い背側部に存在しV̇/Q̇比が限りなく0に近い領域が増加する。逆に吸気は肺血流の小さい腹側肺に多く分布するのでV̇/Q̇比は高くなる。なので、換気血流不均等がおき低酸素血症となる。

 

そのため、腹臥位やシムス位(半腹臥位)の体位変換を行い、血流が健常部へ換気が病変部に移行し換気血流比の改善を図る必要があります。よく大事だ大事だって本や文献に書いてあるね。 

シャント

 無気肺のような全く含気のない肺胞を流れる肺血流(V̇/Q̇=0)は、ガス交換がされずに混合静脈血がそのまま左心系に戻り全身に送り出されます。このような血流をシャントといいます。シャントが多いほど酸素化能が低下します。このような低酸素血症では吸入酸素濃度を上げてもPaO₂は上昇しません。
真性シャント:換気がまったく行われていないV̇/Q̇比が0の領域。
シャント様効果:換気が不十分でV̇/Q̇比が低い領域(V̇/Q̇比<0.)
解剖学的シャント:正常人でも1~2%程度は存在する。テベシアン静脈や気管支静脈のようなこと
生理学的シャント:解剖学的シャント・真性シャント・シャント様効果を合わせたもの
シャント率(Q̇s/Q̇t)は肺動脈カテーテル、動脈ラインから採血を行い、混合静脈血(CvO₂)、動脈血(CaO₂)の酸素含量を計算し、さらに肺胞方程式から肺毛細血管血(CcO₂)の酸素含量を推定することで求めることができます。

Q̇s/Q̇t=(CcO₂-CaO₂)/(CcO₂-CvO₂)

シャント | 呼吸療法認定士の攻略サイト

血液による酸素の運搬

 酸素の含量(ml/dl)CaO₂=ヘモグロビン(Hb:hemoglobin)と結合している酸素溶存酸素(血液中の酸素)=1.39×Hb(g/dl)×SaO₂(%)/100+0.00031×PaO₂(Torr)

呼吸記号の読み方

きゃーーでてきた!!呼吸の勉強をしているといろんな英語の記号!!なんだったっけ。どうやって読むねん。って、そこで今日は簡単な覚え方です。

圧力(P:pressure)、割合(F:fraction)、飽和度(S:saturation)、
含有(C〈Ct〉:sontent)

液相(血液の種類)、採血部位
動脈血(a:artery)、静脈血(v:vein)、経皮的(p:percutaneous)、
毛細血管(c: capillary)

気相(気体の種類)
吸気(I:inspiratory)、呼気(E:expiratory)、肺胞気(A:alveolar)

SaO₂ は何て読むんでしょう。答えは、動脈血酸素飽和度です。
S:Saturation 飽和度 a:artery 動脈血 O₂:oxygen 酸素 

①どこの、②何が、③どうしてるって感じです。

では、PaO₂は何でしょう。ちなみにP:Pressure分圧です。

答えは動脈血酸素分圧です。

SpO₂ 

は何て言うでしょう。よく指につけるものですよね。

答えは、p:percutaneous経皮的(皮膚を通過してって意味だよ)なので経皮的(動脈血)酸素飽和度です。よくパルスオキシメー(pulse oximeter)を指につけ測りますよね。病院勤務の人はお馴染みですかね。私も約10年前に3学会合同呼吸認定士の資格を取った際、看護師である義理の母に合格祝いにいただきました。

 

話が脱線しますが、抹消循環不全や脈がきちんと拾えない場合(異常ヘモグロビン、冷たい手、不整脈、マニュキュアを塗ってある爪、周囲光、激しい体動、周辺の電磁波、装着不全など詳しくは、コニカミノルタ会社の資料を参照してください。)があります。ちなみに、パルスオキシメータは日本人の青柳卓雄氏が開発しました。この記事はNIHON KOHDENのサイトで見ることができます。読んでみてください。開発当初、日本では注目されなかったけど、米国の権威セバリングハウス博士が青柳氏と面会し論文で発表したことで世界的に知られたようです。

かなり脱線しました。時を戻そう!!

PaCO₂とかA-aDO₂とかいろいろありますが、また今度紹介しますね。

酸素の含量ml/dl)CaO₂ヘモグロビン(Hb:hemoglobin)と結合している酸素溶存酸素(血液中の酸素)=1.39×Hb(g/dl)×SaO₂(%)/100+0.00031×PaO₂(Torr)

この式から溶存する酸素の量はわずかで、SaO₂が100%ならHbの量に酸素含量は比例します。よって輸血によってむやみにヘモグロビンの濃度を高めるわけにはいかないのです。通常量は男:13.5~17.6 女:11.3~15.2  (g/dL)急性の貧血患者では7g/dl以上では輸血の必要はないのだそうです。1.39って何の数字?ヘモグロビン1分子が最大で酸素4分子を運搬しています。ヘモグロビン1g当たり酸素結合能力は1.39mⅬとなります。

 抹消への酸素供給

 ヘモグロビン濃度や酸素飽和度を保つ以外に酸素を抹消の細胞に供給するには心拍出量(一分間に全身に送り出される血液の量)の維持が重要である。抹消の組織に1分間あたりの酸素供給量(DO₂=心拍出量×CaO₂)心拍出量と比例する。なので心拍出量が少ないと酸素の供給量も少なくなってしまいます。なので心拍出量5L/分から4L/分に低下すると抹消への酸素供給量は減少します。

今日もお疲れさまでした。なんだか難しかったですね。

今日も文献やテキストありがとう。

また、次回も読んでね。

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