サルコペニア!ダイナぺニア!

physical assessment

今日は、サルコペニア、ダイナぺニアについて話していくよ。以前からよく聞くサルコペニア!!筋肉が落ちているってことかなって思っているあなた!!私と一緒です。知らないことだらけです。しっかり勉強しましょう。また、私はダイナぺニアっていう言葉もお初でしたので一緒に話していきますね。では早速行きましょう。

このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。

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サルコペニアって何?

サルコペニア(Sarcopenia)とは、ギリシャ語で『sarx 筋肉』『penia 減少・喪失』の造語で、1989年にRosenberg博士によって提唱されました。年齢と関係して筋肉量が低下することと初めて定義されましたが、徐々に筋力低下、機能低下も含まれるようになりました。

診断基準の歴史的変遷へんせん 

EWGSOP(European Working Group on Sarcopenia in Older People)
 2010年にヨーロッパのサルコペニアワーキンググループがサルコペニアの診断基準を報告しました。
 握力女性20㎏未満、男性30㎏未満)、歩行速度秒速0.8m/s以下)、骨格筋量(二重エネルギーX線吸収法 Dual Energy X-ray Absorptiometry:DXAが女性5.5未満、男性7.26未満)の3指標を用いてサルコペニアを判定します。歩行速度は快適歩行速度です。

いやいや、握力30㎏未満って、私だって40㎏行くか行かないかなのに、30㎏以上ないといけないの!?日本の40代平均を見てみたら、40代男性は47㎏!!私握力なさすぎ!!サルコペニアにならないように気合を入れなくては!!ちなみに歩行速度は、1m/sの速さでないと横断歩道を渡ることができないかもしれませんよ。歩行者横断秒数の延長 警視庁 (tokyo.lg.jp)にも記載がありました。

AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)
 2014年にアジアにおけるサルコペニアワーキンググループがサルコペニアの診断基準を報告しました。こちらもEWGSOP同様に握力(女性18㎏未満、男性26㎏未満)、歩行速度 (秒速0.8m/s以下) 、骨格筋量(男性:DXA・BIAともに7.0㎏/m²未満、女性:DXA5.4㎏/m²未満・BIA5.7㎏/m²未満)の3指標により判定します。基準値をアジア人用に見直したことと骨格筋量計測に生体電気インピーダンス法(BIA:bioimpedance analysis)を認め、特定の医療機関だけでなく様々なセッティングで判定が可能となった。

EWGSOP2
 2018年AWGSOPは改訂版を報告しました。変化した点は、診断の流れです。サルコペニアをスクリーニングする質問用紙であるSARC-FStrength:力の弱さ、Assistance walking(歩行補助具の有無)、Rising from a chair(椅子からの立ち上がり)、Climbing stairs(階段を登る)、Falls(転倒)4点以上】や臨床症状からサルコペニアの可能性がある高齢者をスクリーニングするところから始めます。その後も握力もしくは立ち上がりテストによって筋力低下の有無を判定します。筋力低下を認める場合は、骨格筋量および骨格筋の質の評価を行い、サルコペニアを確定します。

AWGS2019
 2019年AWGS改定版を報告しました。基準値は、握力男性28㎏、女性18㎏となり、歩行速度は1.0m/sec となった。

判定の流れは、臨床症状(機能低下、体重減少など)やスクリーニング(SARC-F、下腿周径SARC-CalF)検査でサルコペニアの可能性のある高齢者を発見するところから始めます。その後、筋力(握力)、身体機能(歩行速度1.0m/s以下、5回立ち上がり12秒以上、short physical performance battery:SPPB9点未満)、骨格筋量(DXAもしくはBIA)の計測を行います。サルコペニアの判定には、骨格筋量の減少が必須条件となり、これに加えて筋力低下もしくは身体機能低下が認められる場合にサルコペニアと判定します。骨格筋量減少、筋力低下、身体機能低下の3指標ともに該当する場合には重症サルコペニアと判定する。

ダイナぺニアdynapeniaって何?

ClarkとManiniは、2008年の J Gerontol A Biol Sci Med Sci においてダイナペ(Dynapenia)という概念を提唱しました。骨格筋量減少の有無に関わらず『筋力低下』が認められる場合には要注意!!このような加齢に伴う筋力低下をダイナぺニアといいサルコペニアと同様に転倒や能力障害、死亡などの有害健康転帰てんき(病気の進行)の発生に影響があることがわかっています。

現在、診断基準は統一的に確立していません
研修会(北里大学 神谷健太郎先生)でChen Lk et al Am Merd Dir Assoc.2014 の資料があったので紹介します。高齢者(Older adults >60歳)→握力(Measure Grip strength 男性28㎏、女性18㎏)→膝伸展筋力(Measure Knee extension strength:等尺性膝伸展筋力男性40%BW,女性35%BW)をカットオフとした研究もあります。スクリーニングの順番にすべて当てはまるとダイナぺニアであると言えるのではないでしょうか。参考にしてください。

では今日かここまでです。サルコペニアってどうやって調べるのかわかりましたね。私たちの入院患者様はほとんどサルコペニアやダイナぺニアに当てはまってしまうんじゃないかなと感じました。筋トレや栄養の大事さを感じます。マッサージだけではダメですよ。次回は、最近話題のフレイルについて勉強していきたいと思います。最後まで読んでくれてありがとうございます。また、遊びに来てください。

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