今日は、2022年に診療報酬の改定があったのに回復期のことを伝えてなかったと気づき、勉強のためにも書きたいと思います。今回の改定では、あまり関係があることがなかったような気がしたので、忘れていましたが、やっぱりしっかり勉強しなくては!!加算をとらなくては!!
このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。
診療報酬って
日本では、全国民に加入が義務付けられている公的医療保険制度があります。病気やけがなどの際に保険証を提示すれば、誰でも必要な医療行為(診察、治療、処方など)を受けることができます。
医療機関に、その対価として支払われる費用は「診療報酬」と呼ばれ、厚生労働大臣が定めた医療行為1つひとつの点数を足し合わせて算出した金額となります。
そのうち、自己負担分(原則3割※年齢や所得に応じて異なる)は患者さんが、残りは加入している医療保険者が、医療機関に支払います。
公的医療保険って
公的医療保険は会社などに勤めている人が加入する「被用者保険」、地域保険とも呼ばれ、農家やフリーランス、非正規雇用者、会社を退職した人などが加入する「国民健康保険」、75歳以上を全員対象とする「後期高齢者医療制度」の大きく3つに分けられます。
窓口の医療費
診療所や病院で治療を受けた時、保険証を持っていれば、窓口で支払う金額は負担割合に応じてかかった医療費の一部で済みます。原則として自己負担は3割なので、支払いが1,500円であれば、5,000円の医療費がかかったことになります。
では、残りの7割は誰が払うのか? この部分に皆さんが毎月、「保険者」と呼ばれている機関へ納めている保険料が使われます。会社員の健康保険料は、従業員(加入者本人)だけではなく、事業主も折半で負担しています。医療機関は7割分のお金を「審査支払機関」に請求することになってます。
自己負担の割合は、小学生未満と70歳~74歳が2割、75歳以上が1割です。ただし、70歳以上でも「現役並み所得者」であれば3割となります。
子どもの医療費助成は、市区町村により、対象年齢、負担の方法(入院外のみ無料など)が異なります。
私が住んでいるところは、中学生(15歳到達の最初の年度末)まで窓口無料になります。ありがたいです。子供が2人いるので助かります。
疾患別リハビリテーション料
大きな変更はありませんでしたが、下記の通り見直しがありました。
「質の高いリハビリテーションを更に推進する観点から、標準的算定日数を超えてリハビリテーションを行う場合に、月に1回以上機能的自立度評価法(FIM)を測定していることを要件化する。」という見直しがありました。
私の病院では、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)・廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)・運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定してます。機器って何が必要か?というと脳血管と運動器で話をしますね。
脳血管疾患等リハビリテーション料1の機器
歩行補助具、訓練マット、治療台、砂嚢などの重錘、各種測定用器具(角度計、握力計等)、血圧計、平行棒、傾斜台、姿勢矯正用鏡、各種車椅子、各種歩行補助具、各種装具(長・短下肢装具等)、家事用設備、各種日常生活動作用設備 等
ただし、言語聴覚療法を行う場合は、聴力検査機器、音声録音再生装置、ビデオ録画システム等を有すること。となっています。
運動器リハビリテーション料(Ⅰ)の機器
治療・訓練を行うための以下の器具等を具備していること。
各種測定用器具(角度計、握力計等)、血圧計、平行棒、姿勢矯正用鏡、各種車椅子、各種歩行補助具等となっています。
呼吸の勉強しているのに呼吸器リハビリテーション料は算定していないんだって思った方、そうなんです。やっぱり呼吸器の医師がいないことやリハビリテーション料が低いことなどが関係していると思います。私の意見です。でも、肺炎後の廃用症候群での廃用症候群後リハビリテーション料は算定しています。呼吸器疾患の患者様を全く診ていないわけではありません。どこの病棟にいても呼吸器の患者様に関わることが多いと感じます。勉強はしなければいけませんよね(@_@)
令和4年度~回復期入院料
話を戻しましょう。
回復期リハ病棟入院料
令和2年度の改定の際は回復期リハビリテーション病棟入院料は6段階になっていましたが、今回から5と6は同じとなりました。以前の6の点数(1,678点)となったので、回復期リハビリテーション病棟入院料5を算定していたところは減算ですね。大変です。1人57点(570円)/日 1か月で17,100円(30日)ぐらいの減収でしかもこれが何人いるのかでも・・・減収怖い。 頑張って入院料1をとっているところにその分をくれてもいいのではと思いますが・・・しかも、入院料5も2年間の届け出だけでそこからは、入院料4に移行していかなければなりません。どんどん縛りがきつくなっていくので、常に入院料1をとっていくことを考えて体制を整えていかなければなりません。また、第3者評価を受けることが望ましいということもあり、この紋々があるということは、次の改定では必須となるかもしれないので準備が必要です。
重症者の割合
重症の患者割合の見直しもあり、 回復期リハビリテーション病棟入院料1から4までに係る施設基準における新規入院患者のうちの、重症の患者の割合を見直し、回復期リハビリテーション病棟入院料1及び2については4割以上、回復期リハビリテーション病棟入院料3及び4については3割以上となりました。重症の患者とは日常生活機能評価で10点以上又は機能的自立度評価(FunctionalIndependenceMeasure、以下「FIM」という。)得点で55点以下の患者 様となっています(‘◇’)ゞ
第三者評価について
回復期リハビリテーション病棟入院料1又は3について、公益財団法人日本医療機能評価機構等による第三者の評価を受けていることが望ましいって書いてありますね。そもそも公益財団法人日本医療機能評価機構ってなんぞや?
病院機能評価により、一定の水準を満たした病院は「認定病院」となります。認定病院は、地域に根ざし、安全・安心、信頼と納得の得られる医療サービスを提供すべく、日常的に努力している病院と言えます。現在、全国の約25%の病院が病院機能評価を活用しています。
この機構は、認定病院に対し、「認定証」、「認定シンボルマーク」、「認定病院ポスター」を発行したあります。
病院機能評価は、国民が安全で安心な医療が受けられるよう、4つの評価対象領域から構成される評価項目を用いて、病院組織全体の運営管理および提供される医療について評価します。
1領域 「患者中心の医療の推進」
2領域 「良質な医療の実践1」
3領域 「良質な医療の実践2」
4領域 「理念達成に向けた組織運営」
「病院機能評価 機能種別版評価項目 リハビリテーション病院 <3rdG:Ver.2.0> 評価の視点/評価の要素 2017 年 10 月 1 日」を見てもらうと36ページほどあったのですべてを網羅するのは諦めました。こんなに見るのかと思いました。
回復期リハビリテーションを要する状態
回復期リハビリテーションを要する状態について、「急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態」を追加し、算定上限日数を90日以内。心リハも回復期で行えるようになりましたね。
特定機能病院リハビリテーション病棟
2020年度の前回改定では「医療法で特定機能病院に求められる2対1看護配置を満たさない回復期リハビリ病棟を設置することは好ましくない」として、経過措置としてのみ設置が認められました。しかし、心臓リハビリをはじめとする質の高いリハビリ提供施設として、新たな役割が期待され、【特定機能病院リハビリテーション病棟入院料】(1日につき2129点:回復期リハビリテーション病棟入院料1と同じ)が新設されました。
主な施設基準から、一般の回復期リハビリ病棟と異なる点を記載します。
▽心大血管疾患リハビリ料(I)、脳血管疾患等リハビリ料(I)、運動器リハビリ料(I)、呼吸器リハビリ料(I)を届け出ている
▽看護配置10対1以上(7割以上が看護師)
▽病棟に「専従の常勤の理学療法士」3名以上、「専従の常勤の作業療法士」2名以上、「専従の常勤の言語聴覚士」1名以上、「専従の常勤の管理栄養士」1名以上、「在宅復帰支援を担当する専従の常の社会福祉士等」1名以上配置
▽休日を含めた週7日間リハビリ体制
▽重症患者割合(新規入院時)が5割以上
▽リハビリ実績指数40以上
▽早期離床・リハビリテーション加算、早期栄養介入管理加算を取得
▽届け出は1病棟のみ
リハに関係ありそうな加算
運動器リハビリテーション料の算定の見直し
糖尿病足病変も算定ができるようになりました。
透析時運動指導等加算の改定
人工腎臓を算定している患者に対して、病状及び療養環境等を踏まえた療養上の必要な訓練等を行った場合に透析時運動指導等加算として、指導開始から90日を限度に75点が算定出来るようになりました。透析時運動指導等加算の対象患者は、人工腎臓を算定する患者であり、人工腎臓を算定した日に訓練や指導を行った場合に加算として算定します。透析時運動指導等加算を算定した日については、疾患別リハビリテーション料は別に算定できないことに注意してください。算定要件の概要は下記をご参照下さい。
【算定要件の概要】
・人工腎臓を実施している患者に対して、医師、看護師、理学療法士又は作業療法士が、療養上必要な訓練等について指導を行った場合には、透析時運動指導等加算として、当該指導を開始した日から起算して90日を限度として、75点を所定点数に加算する。
・透析患者の運動指導に係る研修を受講した医師、理学療法士、作業療法士又は医師に具体的指示を受けた当該研修を受講した看護師が1回の血液透析中に、連続して20分以上患者の病状及び療養環境等を踏まえ療養上必要な指導等を実施した場合に算定できる。実施した指導等の内容を実施した医師本人又は指導等を実施した理学療法士等から報告を受けた医師が診療録に記録すること。入院中の患者については、当該療法を担当する医師、理学療法士又は作業療法士の1人当たりの患者数は1回15人程度、当該療法を担当する看護師の1人当たりの患者数は1回5人程度を上限とし、入院中の患者以外の患者については、それぞれ、1回20人程度、1回8人程度を上限とする。
・指導等に当たっては、日本腎臓リハビリテーション学会「腎臓リハビリテーションガイドライン」等の関係学会によるガイドラインを参照すること。
・指導を行う室内に心電図モニター、経皮的動脈血酸素飽和度を測定できる機器及び血圧計を指導に当たって必要な台数有していること。また、同室内に救命に必要な器具及びエルゴメータを有していることが望ましい。
・当該加算を算定した日については、疾患別リハビリテーション料は別に算定できない。
摂食嚥下支援加算の見直し
中心静脈栄養や鼻腔栄養等を実施している患者の経口摂取回復に係る効果的な取組を更に推進する観点から、摂食嚥下支援加算について、名称、要件及び評価を見直されました。
リハビリテーション実施計画書の署名欄の取扱いの見直し
リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション実施総合計画書の署名に取り扱いが変更となりました。リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション実施総合計画書については、計画書に患者自ら署名することが困難であり、かつ、遠方に居住している等の理由により患者の家族が署名することが困難である場合には、疾患別リハビリテーションを当該患者に対して初めて実施する場合(新たな疾患が発症し、新たに他の疾患別リハビリテーションを要する状態となった場合であって、新たな疾患の発症日等をもって他の疾患別リハビリテーションの起算日として当該他の疾患別リハビリテーションを実施する場合を含む。)を除き、家族等に情報通信機器等を用いて計画書の内容等を説明した上で、説明内容及びリハビリテーションの継続について同意を得た旨を診療録に記載することにより、患者又はその家族等の署名を求めなくても差し支えない。ただし、その場合であっても、患者又はその家族等への計画書の交付が必要であること等に留意すること。
ただし、初回は患者又は家族の署名が必要です。
まとめ
今回の改定で、質の高いリハビリを行っていない病棟は今後退場されてしまうということです。また、心リハをとる病院がどれくらいあるか。呼吸器リハを行っている病院も少ない。もっと点数を上げるべきではないのか。理学療法士が行っているリハビリは、脳血管であろうが呼吸器であろうが評価してその方に合った関りをすることは同じ。なのになぜ点数は違うのか。算定日数が違うのは分かるが・・・。
また、第3者評価も今回は望ましいとなっているが、次の改定では必須となる可能性もあるので、早めに準備をすることが必要です。しっかり加算をとっていく必要がありますね。
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