BCPとは?リハ職はどうする?

呼吸 respiratory

こんにちは。COVID-19も第7波の真っただ中!!私の病院でもクラスターが起きました。そこでの対応の不備やもっとBCPがしっかりなされていたら・・・と思うことが多々ありました。そこで、BCPについてもっと深く知って、クラスターを最小限にしリハビリを継続できる環境は何かないかと思い!!今回は、BCPについて勉強していきます。それでは一緒に勉強しましょう。

このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。

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BCPって何ぞや?

 BCPとはBusiness Continuity Plan 事業継続計画って意味です。医療機関における事業継続計画は、診療継続計画(MCP:Medical Continuity Plan)と呼ばれておいます。なお、政府行動計画では、全ての医療機関において、医療機関の特性や規模に応じた診療継続計画の作成が求められています。

その意味は、「震災などの緊急時に低下する業務遂行能力を補う非常時優先業務を開始するための計画で、遂行のための指揮命令系統を確立し、業務遂行に必要な人材・資源、その配分を準備・計画し、タイムラインに乗せて確実に遂行するためのもの」とされています。(厚生労働省「病院におけるBCPの考え方に基づいた災害対策マニュアルについて」)。

緊急時は突然発生します。有効な対策を講じなければ、廃業もしくは事業を縮小し、従業員の解雇なども検討しなければならない状況も考えられます。これを回避対策として平時からBCP・MCPを周到に準備し緊急時に事業の継続・早期復旧を図る事が重要となります。

シンディ
シンディ

私も東日本大震災の際、大きな横揺れの中(船で揺られているみたい)リハ室でリハビリを行っていたこともあります。その時は患者様に大きなけが等はなく対応できました。(不穏になる方はいましたが・・・)また、大雪が降りライフラインが止まってしまい、車では病院に行けず徒歩で出勤し、少ない職員の中でリハビリを行った経験があります。そして!!今度のCOVID-19のクラスター。いつどんな震災などがおきるかわからないですが、前もって準備し教訓を生かせることができれば、今回のことは失敗ではないのです。しっかり見つめなおし前を向いて行動計画を立てていかなければなりません。

BCPの全体像

引用:①震災BCP作成の手引き(2017年度版)改 (mhlw.go.jp)
引用:災害時にも高度な病院機能を維持する医業継続計画 (MCP:Medical Continuity Plan)への配慮 | サステナビリティ・BCP | Expertise | NIKKEN SEKKEI LTD
参照:運輸安全マネジメントの実践 (mhlw.go.jp)

 自然災害が発生すると、インフラ停止などによる通常業務の停止・避難誘導・安否確認などによる災害時業務の発生のため、通常業務量が急減します。
 新型インフルエンザ等は、国内で感染が拡大し始めると、自身が感染したり(私もです)感染した家族の看病を行ったりして、出勤ができなくなる職員が出ます。しかし、通常業務が急減することはなく、対応可能な業務量が徐々に減少していくと考えられいます。

BCP各項目

タイトル

総合的な病院機能の継続計画であることがわかるようなタイトルがいいので、「○○病院 災害(時)対応マニュアル(Ver.XX)」ではなく「○○病院BCP(機能継続計画)(初版)」や「○○病院BCP(初版)」のようなものにするといいです。

はじめに

BCPを作成した目的や内容の概要、定期的見直しと改善が必要なことなどを明記します。改定時には、それが行われた経緯や主な変更・改善がわかるようにします。

例えば、2011年3月11年に発生した東日本大震災は、福島県沖が震源地とされています。当時の当院では、横揺れが大きく起こりましたが、人身被害はなく、建物被害も軽微で済みました。しかし、日本は地震大国であり当院でも経験する災害として地震の可能性は極めて高いといえます。現在、当院は免震構造(全国の耐震化率76% 地震発生時の医療拠点となる病院の耐震化率92.4%【平成30年調査)がなっておらず大きな地震が来た際の対応を事前に想定しておく必要があります。このマニュアルに精通し、今後当院に起こる変化を正確に把握し、順次改定されることが必要です。そしてすべての職員に繰り返し周知される努力を続けていきましょう。2022年9月こんな感じですかね。かなりパクッテますけど。。。

みたいな。ことをか行くといいですね。もちろん、今回のCOVID-19 クラスターについて書いてもいいですね。 私が委員長ではないので書くことはできませんが・・・・

対象となる災害の明記

病院の立地条件、ハザードマップ、歴史的に経験した災害等を総合的に考えあわせ、想定される災害とその可能性(頻度、重要度)について明記する。想定される可能性・頻度は少なくとも、患者・職員の生命や病院の事業継続に支障を及ぼす可能性のある災害は考慮する必要があります。なので想定される災害ごとにBCPの整備が必要となります。地震・水害のBCP と COVID-19 などの感染症のBCPとかですかね。

目次

BCPの全体像がわかる、章立て、項目を、掲載ページとともに記しておきます。

章立て

第●章 災害対応の基本方針
第●章各部門の対応
第●章 中長期対応
第●章 震災に備えたBCPチェック項目
第●章 資料

病院の基本的な情報(地理的、立地条件、平常時・災害時に求められる病院の機能、特殊な事情等)を分析を示し、災害時対応に必要となる平常時の組織体制・災害に備えた準備体制・職員の集まれる基準や安否確認の方法など、全職員が平常時から理解、実施しておくべきことを挙げておく必要があります。

例えば 目次
1. BCP の基本概念
1.1 BCP とは
1.2 災害拠点病院における BCP
2. 被害想定と院内リソース
2.1 備えるべき脅威
2.2 自然災害
① 地震
② 雷雨、洪水、台風
2.3 人為災害
2.4 当院 BCP が主に想定する災害
2.5 脅威発生時の被害想定と脆弱性
① 地域の被害想定
② 現状の院内リソース
(1) 建物
(2) 非常用発電機
(3) 医療ガス
(4) 上水
(5) 下水
(6) 都市ガス
(7) エレベーター
(8) エスカレーター
(9) 電子カルテ
(10)衛星電話
(11)給食
(12)医薬品
(13)災害時物品
③ インフラ故障に関する連絡先
3. 事業継続に向けた基本方針
3.1 災害レベルと基本戦略
① 災害レベルの設定
② 災害レベルに応じた対応要領
3.2 職員の参集ルール
3.3 災害時の本部体制と役割
3.4 主な役割の分担、および本部人員不在時の代行
3.5 時間外および休日の仮災害対策本部
3.6 災害対策本部の設置場所
3.7 相互救援協定
4. 業務内容の時系列
4.1 定義
4.2 通常業務の時系列
4.3 災害時応急対策業務の時系列
4.4 インフラ復旧業務の時系列
5. 業務の詳細
5.1 通常業務の継続
5.2 通常業務の復旧
5.3 応急対策業務
5.4 災害対策本部における応急対策業務



8. 今後の課題と改訂体制
8.1 事業継続マネジメント体制
8.2 BCP 実施計画
8.3 教育・訓練
8.4 将来的課題
9. 本書の管理
9.1 本書の管理者
9.2 本書の開示範囲
9.3 本書の改版および廃止
【別紙】
・別紙 1: 業務内容の時系列
・別紙 2: 業務の詳細
・別紙 3: アクションカード
引用:福岡徳洲会病院事業計画書(BCP)がネットであったので皆さん参考にしてはどうでしょう。

感染対策 MCP

病院や高齢者介護施設では、感染症に対する抵抗力が弱い患者様が、集団で生活する場です。このため、感染が広がりやすい状況にあることを認識しなければなりません。また、感染自体を完全になくすことはできないことを踏まえ、感染の被害を最小限にすることが求められます。そのため、感染症を予防する体制を整備し、平常時から対策を実施するとともに、感染症発生時には感染の拡大防止のため迅速で適切な対応を図ることが必要となります。

感染対策の基礎知識

感染症に対する対策の柱!!
感染源の排除
感染経路の遮断
宿主(ヒト)の抵抗力の向上
具体的には、「標準予防措置策(スタンダード・プリコーション)」と呼ばれる感染管理のための基本的な措置を徹底することが重要となります。

感染源

感染症の原因となる微生物(細菌、ウイルスなど)を含んでいるものを感染源といい、次のものは感染源となる可能性があります。

① 嘔吐物・排泄物(便・尿など)
② 血液・体液・分泌物(喀痰・膿みなど)
③ 使用した器具・器材(注射針、ガーゼなど)
④ 上記に触れた手指で取り扱った食品など

①、②、③は、素手で触らず、必ず手袋を着用して取り扱います。また、手袋を脱いだ後は、手洗い、手指消毒が必要です。→手洗いや手指の消毒は、標準予防措置策(スタンダード・プリコーション)の中でも特に重要です。

感染経路の遮断

感染経路には、①接触感染②飛沫感染③空気感染、及び④針刺しなどによる血液媒介感染などがあります。感染経路に応じた適切な対策をとりましょう。↓で詳しく話しますね。


標準予防策(スタンダードプリコーション:standard precaution)

標準予防策は、患者の血液体液(唾液,胸水,腹水,心嚢液,脳脊髄液等すべての体液)、分泌物(汗は除く)、排泄物、あるいは傷のある皮膚や、粘膜を感染の可能性のある物質とみなし対応することで、患者と医療従事者双方における病院感染の危険性を減少させる予防策です。

感染経路と原因微生物

引用:高齢者介護福祉施設における感染対策マニュアル (mhlw.go.jp)

① 感染源(病原体)を持ち込まないこと
② 感染源(病原体)を持ち出さないこと
③ 感染源(病原体)を拡げないこと

です。そのためには、手洗いの励行うがいの励行環境の清掃が重要となります。また、血液・体液・分泌物・嘔吐物・排泄物などを扱うときは、手袋を着用するとともに、これらが飛び散る可能性のある場合に備えて、マスクエプロンガウンの着用についても検討しておくことが必要です。

1.手指衛生

すべての医療行為の基本となり、感染防止に対して一番大きな役割を果たすのが手指衛生手洗い、または手指消毒)です。

引用:手指衛生5つのタイミング|あなたの手指衛生が患者の命を救う|サラヤ株式会社の医療従事者向けサイト「Medical SARAYA(メディカルサラヤ)」

手指衛生の基本

1)アルコールベースの擦式手指消毒薬で手指消毒
2)目に見える汚れがある場合は、石鹸と流水で手洗い
3)爪は短く切る
4)時計を外し、手首まで洗う
5)ユニホームが長袖の場合は腕まくり

手洗い方法

You Tubeを見ていたらこんな方まで指導してくれていたので、紹介しますね。

参照:(27) 横浜FCと新型コロナウイルス感染症予防!! ~横浜FC制作の新型コロナウイルス感染症対策動画 – YouTube

キングカズ!!松井大輔手指消毒!!ありがとうございます。

個人防護服(PPE:personal protective equipment)

引用:PPE(個人防護具)の選び方 / Hygiene Shop (saraya.com)
シンディ
シンディ

病院でCOVID-19クラスター(第7波)が発生し、罹患した患者様の病室に入る時は、一番右側の防護服で出入りました。現在の病棟では、感染者が0となっていますが、右から2番目の個人防護服となっています。もちろん、手指消毒の徹底や外すときにも注意を払っています。看護師と違いリハのスタッフは、3密となることが多いです。サージカルマスクは2重、エプロン、フェイスシールド、で行ってます。

参照:(27) 【感染防護具セット】着け方・外し方 – YouTube

環境対策

環境面

①ベッド柵やベッドサイドの備品、日常頻回に接触する器材、物品の表面は、毎日清掃を行う。

シンディ
シンディ

当病院では、ルビスタやサラサイトを使用してますね。

②院内の環境表面は、血液や喀痰、吐物等の特別な汚染がない限り消毒する必要はない。
③床などに血液や喀痰、吐物等が付着した場合は、手袋を着用(状況に応じてディスポエプロンやマスクを着用:現在はマスクは常にしてますね)しペーパータオルで拭き取った後、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで清拭消毒する。
5%次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)50倍希釈

シンディ
シンディ

少し感染症のことを話しすぎましたねBCPに戻ります

BCP・MCP作成のポイント

①施設・事業所内を含めた関係者との情報共有と役割分担 判断できる体制の構築

感染(疑い)者発生時の迅速な対応には、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等の構築がポイントになります。そのため、全体の意思決定者を決めておくこと、各業務の担当者を決めておくことが(誰が、何をするか)、関係者の連絡先(保健所や業者)、連絡フローの整理が重要です。

②感染(疑い)者の発生した場合の対応

・患者様や職員、もしくはその家族(濃厚接触者)が発生した場合でも、患者様に必要なサービスが継続的に提供される事が重要です。そのため、感染者発生時の対応について整理し、平時からシュミレーションを行うことが必要です。

③職員確保

・職員の感染や濃厚接触者となり職員が不足する場合があります。各病棟もしくは各部屋ごとに職員を分け、交差感染のリスクを下げておく必要があります。どのくらいの人数で患者さんに対応できるのかを考えておく必要があります。職員確保体制の検討・関係団体や都道府県等への早めの応援依頼を行う事が重要です。

例えば、この人数がいれば患者1人リハビリ9単位/日できる。もしくは3単位できる。リハビリは中止となる。と決めておく事が重要。

④業務優先順位の整理

・職員が不足した場合は、感染防止対策を行いつつ、限られた職員でサービス提供を継続する必要があることも想定されます。可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況に応じて対応できるよう、業務の優先順位を整理しておく事が重要です。

⑤計画を実行できるよう普段から周知・研修、訓練

・BCPは、作成するだけでは実効性があるとは言えません。危機発生時においても迅速に行動ができるよう、関係者に周知し、平時から研修・訓練(シュミレーション)を行う必要があります。また、最新の知見等を踏まえ、定期的に見直すことも重要です。

自部署におけるBCP取り組み状況チェック

引用: 中小企業BCP算定運用指針 入門診断 一部改訂

シンディ
シンディ

私は甘くつけても5個くらいですかね。もっと自分の部署を見直す必要があります。しかし、今気づいてよかったですね。少しずつ改善していきましょう。「Small Step」から職場は変わっていきます。諦めずPDCAサイクルで改善していきましょう。

今回、日本理学療法士会の「BCP概論とPT部門での注意点」を参考にして資料を作りました。皆様もよかったら見てください。

また、もっと具体的に知りたい方は運輸安全マネジメントの実践 (mhlw.go.jp)という資料もあります。分りやすいですのでチェックしてください。 

私の病院でも優先順位から食事・排泄・投薬業務・医療ケアが優先となり、入浴やリハビリが中止となることもあり、後方支援(ゴミ収取やベッド移動・環境整備業務、基本動作介助など)に回ることもありました。感染の拡大をいかに小さくし、また業務を遂行するかの難しさも感じました。今回のチェックリストから少しずつ改善したいですね。

最後まで読んでくれてありがとうございます。また、気軽に読みに来てくださいね。

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