精神疾患mental disorder

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外出できないで鬱々してしまうこのコロナ禍で、心を病んでいる人はいませんか?私もちょっと鬱々していたことがあります。あと最近骨折や脳卒中の患者様だけでなく、精神疾患を既往で持っている方が多い印象があり、今日はみんなで勉強できたらと思います。では早速行きましょう!!

このブログでは、私が勉強してきたことや考え方、この治療ってどうなのかなとみんなが疑問に持っている事など(また趣味の筋トレとかも・・・)をなるべくわかり易く伝えていきたいと考えています。ぜひ読んでいってください。

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精神疾患mental disorderとは

 精神疾患とは、平均的状態より偏倚(ヘンイ:一方に偏ること)した病的な精神状態の全体。国際疾病分類では、精神障害に精神病、神経症、人格異常およびその他の非精神病性精神障害、精神遅滞を含む。と医学大辞典第2版には記載してあります。また、脳の障害や損傷などによる働きの変化が原因で、感情や行動に著しいかたよりが見られる状態のこととも書いてあるブログもあります。統合失調症やうつ病などいろいろな病気の総称で使われます。
 厚生労働省の調査によると、精神疾患の患者数は1999年は約204万1000人でしたが、2014年には約392万4000人と増加しています。

関わっている医療従事者の数

参考:厚生労働省 「参考資料」

 あれれ理学療法士の名前がありませんよ。そうです。私たちはほとんど関わってきていないし勉強してこないのです。2010 年の理学療法士実施調査報告 (理学療 法学 第 37巻 第 3 号 188〜217頁 (2010年) によれば精神科に勤務している理学療法士の数は全体の 1.7%だそうです
 今回は、細かいことまでは勉強しなくてもある程度知っているだけで、診療時に役に立つのではないかな。そんなことを思い書いてます。勉強しましょう

精神疾患の原因

外因性・心因性・内因性と、大きく3つに分類できます

外因性精神疾患

 脳への直接的・生理的影響から発症する場合です。外傷や疾患、薬物の影響などはっきりした理由で脳神経の働きが阻害され、精神症状がみられるもの。原因としては、脳挫傷や感染症などが挙げられます。

心因性精神疾患

 性格や環境からのストレスなど心理的影響から発症する場合です。心理的ストレスが原因で症状が出てくるもので、ストレス反応【急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)】や適応障害などの神経症があります。

内因性精神疾患

外因性でも心因性でもない、今のところ原因不明であるが、おそらく遺伝的素因を背景として発症する場合です。代表的なものとしては統合失調症、気分障害(うつ病、双極性障害)が挙げられ、この内因性精神疾患だけを指して精神疾患や精神障害と定義する場合もあります。 現在までの研究成果では、統合失調症はドーパミンが、うつ病ではセロトニンやノルアドレナリンといったそれぞれの脳内神経物質の分泌量が症状に影響しているのではないかなどと言われています。

精神疾患の種類と症状を紹介

 主な精神疾患の種類と症状を話していきますね。よく病院の診療で見る精神疾患を話しますね

統合失調症

統合失調症の原因はまだはっきりとわかっていませんが、脳内で情報を伝える神経伝達物質のバランスがくずれることが関係しているのではないかと言われています。また、大きなストレスがかかることなども関係あるようです。遺伝子も関与していると言われていますが、単純に遺伝子だけの問題ではなく、さまざまな要因が関与していると考えられています。
 統合失調症の症状は大きく「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つに分けることができます。

 陽性症状は、妄想、幻覚、思考障害(思考が混乱し、考え方に一貫性がなくなる。)がある。
 陰性症状は、感情の平板化(感情鈍麻:喜怒哀楽の表現が乏しくなる)思考の貧困(会話で比喩などの抽象的な言い回しが使えなかったり、理解できなかったり)意欲の欠如、自閉(社会的引きこもり)
 認知機能障害記憶力の低下、注意・集中力の低下、判断力の低下
 統合失調症は1日も早く治療を開始したほうが病気の回復が早く、症状も軽くてすみます。まずは専門医に相談しましょう

うつ病

 抑うつ気分、意欲の低下、注意力・判断力の低下などの精神症状、およびだるさや睡眠障害といった身体症状が継続して、通常の生活が送れなくなってしまう病気です。精神的ストレスや身体的ストレスが重なると発症するとも言われますが、明らかな原因がないまま発症する場合もあります。うつ病の患者は増加傾向にあり、100人に3~7人がかかると言われています。
 抑うつ気分:「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」、「悲しい」、「希望がない」、などの気分。

 季節性うつ:1984年に精神科医のローゼンタールらにより「冬季うつ病」として初めて報告された精神疾患で、秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春先の3月ごろになるとよくなるのが特徴です。病気の発症時期として季節性があるというのがポイントです。冬場の日照時間不足が原因であると考えられています。特に、現代の生活では屋内で過ごすことが多く、日光に当たる時間が少ないです。光が不足すると脳内でセロトニンの分泌が減り、そのためにやる気がなくなるなどの症状が見られ、うつ病になりやすくなると考えられています。光療法って言ってライトボックス(人工光)を使用して、冬季の日照不足をを補う方法です。これは1~2時間程度、2,500~10,000ルクスの高照度の光を照射するというものです。また、光目覚まし時計も治療に使われます。起床時刻の約1時間前にライトがほんのり点灯し、それが徐々に明るくなっていき、人工的に夜明けのような状態を作ります。起きるのがつらい冬の朝に特に効果があります。なので、晴れて天気の良い日はできるだけ陽の光を浴びて散歩やジョギングなどで体を動かしてみましょう。
 抑うつ状態抑うつ気分が強まると「抑うつ状態」となり、思考や意欲といった精神機能も低下します。抑うつ気分が続く期間の目安としては、「一日中、ほぼ毎日、2週間以上」です。このような状態が続き、日常生活が大きく制限されるなど、一定の重症度があると判断されるとき、うつ病と呼んでいます。

 双極性障害(躁うつ病):うつ病と似たようなうつ状態とともに、その対極とも言える躁状態も出現し、これらを数カ月おきにくりかえす病気です。躁状態になると、寝ることなく動き回り続けたり多弁になったりしてエネルギッシュになりますが、ひとつのことに集中できず、周囲を疲労させてしまいます。また、衝動に任せて高額な買い物をするなどのリスクも高まります。
一方、うつ状態になると、すべてのことに興味がなくなって無気力状態になり、生活に支障が出てしまいます。 激しい躁状態が起こる双極性障害を「双極I型障害」軽い躁状態が起こる双極性障害を「双極II型障害」といいます。

発達障害

 発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。
先天的な特性が要因となって生じる障害ですので、精神疾患と表現すると少し語弊があるかもしれませんが、実際の診断は心療内科や精神科で行われることが多いことや、現在の行政の仕組み上、障害者手帳を申請する際は「精神障害者保健福祉手帳」に該当します。具体的な発達障害のタイプには、自閉症スペクトラム障害(自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害等を含む)、注意欠如・多動性障害(ADHD:Attention-deficit/hyperactivity disorder)、学習障害、チック障害などがあります。自閉症スペクトラム障害では対人関係やコミュニケーションの障害、特定の物事へのこだわりなどの特徴が表れます。

  自閉症は、臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心・やり方・ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強いこと”を特徴。知的障害や言語発達に遅れを伴うことがあります。
 アスペルガー症候群とは社会性発達の質的障害、興味や活動の偏りがある人で知的障害はありません。
 ADHDは不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状が見られます。
 学習障害知的水準や身体の機能に大きな障害はないものの、読み書きや計算など特定分野の学習が極端に苦手となる
 チック障害本人の意思とは関係なく(不随意)・急に(突発的に)運動や発生が反復して起こる病態。多種類の運動せいちっ
以上が主な精神疾患です。

精神疾患の治療法は?

精神疾患の治療は、薬物療法と精神療法、心理社会療法などを行います。

薬物療法

 精神疾患の治療の中心になるのが薬物療法です。精神に作用する薬を向精神薬といいますが、症状によってさまざまな向精神薬を服用することになります。 以下が向精神薬の分類です。

向精神薬の種類働き対象疾患
抗精神病薬ドーパミンの働きを調整する統合失調症、双極性障害
抗うつ薬セロトニン、ノルアドレナリンの濃度を高めるうつ病
気分安定薬神経活動を安定化させる双極性障害
抗不安薬・睡眠薬鎮静系の神経伝達物質の働きを強める神経症(不安障害)、不眠症

精神療法(心理療法)

 治療全体を通して、本人や家族が不安に思っていることや、症状によるトラブルや薬の副作用、家庭環境、人間関係などの悩みについて医師などの専門家が話を聞き、アドバイスをしたり話し合いをしたりしていきます。また、その中で本人自身がどんな状態にあるのか(病識)の理解を深めたりします。
 

認知療法・認知行動療法:

患者様が自分の考え方の歪みを認識し、それらの歪みが自分の人生の中にある問題にどのように結びついているかを理解できるように導くものです。自分の根本にある信念や思い込みを認識することで、自分が経験したことについてそれまでと違った考え方ができるようになり、症状が軽減され、行動や感情に改善がもたらされます

 行動的技法

①活動記録表/スケジュール
②“ポジティブに言い換える”法
③行動実験不合理と思われる認知の現実性を検証するために、実際にその想定している状況を体験してもらい、その結果を確認することによって、不合理な認知の変容を促す方法。
例えば、「電車に乗ったら発作がまた起きるかも…。」というような不安症のかたが避けたい行動を実際にやってもらい、不安に思っていたことが実際に起こるかどうか?を検証するために使います。案外と予想していたことが起こらなかったりするので、その結果、その事態についての考え方が柔らかくなりますよね。
④段階づけリハビリテーションやリハビリテーション看護の場面において、患者さんへの取り組みや治療プログラムにおける「課題」にたいしての難易度の設定に変化をつけていくことを「段階づけ」と表現すること例えば、40㎝から立ち上がるのではなく、50㎝から立ち上がりを行い成功体験や筋出力を上げそれから45㎝→40㎝と段階的に行うなどですかね。(PT的な考えですが・・・
⑤注意そらし法
⑥リラクセーション
⑦社会技能(ソーシャルスキル)訓練
:SST(Social Skills Training)とは「生活技能訓練」または「社会生活技能訓練」と訳されます。精神に障害を持ったひとが社会で生活していくために、対人関係を良好に維持する技能を身につけ、自信を回復し(QOLを高める)、ストレス対処や問題解決ができるスキルを習得(再発防止)する目的ですが、これらの技法は障害に関わらず全ての人に適応できるものです。
⑧アサーション・トレーニングアサーション(assertion)」とは、「自己主張」という意味の単語で、相手と対等な立場に立って自己主張をするためのコミュニケーションスキルのことです。この言葉最近よく聞きますね。
有意義な時間の使い方習得
運動
飲酒、薬物、カフェインを減らす
不眠への介入
「他の人に聞いてみる」
読書療法

認知的技法

①認知再構成: 極端の認知のゆがみを修正して、適応的な行動をとったり、問題に対処したりすることを可能にすること。
②スキーマを同定する・修正する:スキーマとは,過去の経験や外部の環境に関する構造化された知識の集合
③「認知の偏り」を教育する
④認知的(想像上の)リハーサル
⑤自己教示法:
対象者に、課題の実行手順をその都度言葉として表出させ、訓練経過ともに徐々に外言化を少なくし、内言化(自分の心の中でのささやき)を導いていきます。
⑥思考停止法
⑦コーピング・カード:
英語のcope(=対処する)に由来。まず、ストレスがかかったときにどんな気晴らしをすれば気分がよくなるのか、あらかじめリストアップしておく。例えば「音楽を聴く」「本を読む」「買い物をする」といった簡単な内容である。リストが出来上がったら、実際の生活の中でいろいろなストレスがかかる度にそのストレスに見合った気晴らしをリストからピックアップして実行する。その結果、実際にストレスが減ったかどうかを自分で判断する。まだストレスを感じていたら、さらに同じ気晴らしを続けたり、別の気晴らしに切り替えたりしてみる。 
 要するに、気分と行動の関係に気づく。その行動がもし良かったら、それを繰り返して、習慣化していくことが重要になる。ストレスが何かメモすることもいいですね。
⑧過去の経験から証拠を探す
⑨ロールプレイ
⑩不安な出来事の結果を考える
⑪問題解決技法
⑫利点・欠点を考える
⑬理知的/情緒的ロールプレイ
⑭認知的連続表

 対人関係療法:当初はうつ病に対する短期の精神療法として考案されたもので、うつ病患者の対人関係の質を高めることを意図しています。以下の問題に焦点が置かれます。

  • 未解消の悲嘆
  • 自分の期待と異なる役割を果たさなければならないことで生じる葛藤(例えば、専業主婦の母親になることを期待して結婚したのに、一家の主要な稼ぎ手にならなければならないことが分かった場合など)
  • 社会的役割の移行(第一線で働いていた人が定年退職するなど)
  • 他者とのコミュニケーション上の支障

 精神分析:最も古い形態の精神療法であり、20世紀初頭にジークムント・フロイトが考案したものです。対象者は週に4~5回、精神療法家の診療所に置かれた寝いすに横たわり、心に浮かぶことをすべて話すようにします(自由連想法)。過去の人間関係のパターンが現在どのように繰り返されているかを理解することに焦点が置かれます。ここでは患者と精神療法家の関係が重要な要素となります。

 精神力動的精神療法:精神分析と同様に、現在の思考、感情、行動における無意識のパターンを認識することに重点を置くものです。ただし、対象者は寝いすに横たわるのではなく、通常はいすに座り、行う回数は週に1~3回です。また、患者と精神療法家との関係には、精神分析ほど重点が置かれません。

 支持的精神療法:最もよく利用されているものですが、その成否は患者と精神療法家との間の共感的かつ支持的な関係が重要です。自己の感情を表現するよう促すとともに、精神療法家が問題解決の手助けをします。

心理社会的療法

 社会生活へ適応するため、コミュニケーションなどの生活スキルを磨くものです。集団作業などを通じて生活の感覚を取り戻すデイケアなどがあります

電気けいれん療法

 電気けいれん療法電極を患者の頭部にあてて、麻酔下で脳に電気ショックを与えることで軽い発作を誘発する治療法です。これは重度のうつ病に最も有効な治療法であることが一貫して示されています。電気けいれん療法を受けた人の多くは、一時的な記憶障害を経験します。しかし、メディアでの取り上げられ方とは異なり、電気けいれん療法は安全な治療法であり、一時的な記憶障害以外の合併症はまれにしか発生しません。現在は、麻酔薬や筋弛緩薬が使用されるようになり、あらゆるリスクが大幅に低下しています

その他の脳刺激療法

 反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS:repetitive Transcranial Magnetic Stimulationうちの病院にもありますが、脳卒中の後遺症と神経リハビリテーション治療として使用しています。特に上肢や迷走神経刺激療法など、脳を刺激する他の治療法も研究が進められており、それらは薬物療法や精神療法で効果が得られないうつ病患者に役立つ可能性があります。これらの治療法では、磁気を発生させる装置や迷走神経を刺激するインプラントによって脳を直接活性化ないし刺激します。刺激された細胞から化学伝達物質(神経伝達物質)が放出され、それが気分の調節に役立つことで、うつ病の症状が緩和されるのではないかと考えられています。これらの処置は、一般的には薬物療法や精神療法で効果が得られない患者に対して用いられます

関わり方のポイント

よく「頑張って」言ってはいけないって言われましたね。それだけではないので以下を参考にしてください。

1.まず本人の思いを受け止める
2.支援者によって役割を変える(聞き役、伝え役など)
3.薬を飲めてなくても責めない
4.こうした方がいいという断定的な意見を言わない
5.支援には相性やタイミングも重要
6.幻聴や妄想など訴えには、否定せず・肯定もせず、感情に寄り添う ⇒ 周囲 のあり方が、本人の支えになる。
7.あせらず「ゆっくり、ゆったり」を心がける
 本人・家族は気持ちを整理するのに時間がかかる。

8.簡潔に伝える(より具体的な言い方で)
× 「きちんと掃除しましょう」 ○ 「まず、部屋の雑誌を片付けましょう」
× 「体調はどうですか」 ○ 「眠れてますか」 「だるさはありますか

9.関わる方(家族も含め)アンガーマネジメント
思考停止;頭の中で数を数える 6秒ルール
• その場から一旦離れる
• 魔法の呪文 「しょうがないか」「まぁいいか」
• 「自分が言われたらどう感じるのか」を考える
• イライラを書き出す
• 非日常の空間に身を置く (カフェなど)
• 「今日は絶対に怒らない」などと決めておく
• ポジティブフォーカス:良いところに目を向ける
• 怒りのもととなる第一感情(悲しいなど)に気づく

まだまだあると思いますが、今日はこの辺にしておきたいと思います。
最後まで見てくれてありがとうございます。

また勉強したことを書きますので見に来てください。

参考サイト:うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル

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